私の新工法開発第1号が完成した。
低廉な北海道型住宅を求めて様々なチャレンジを続けているが、かつてブロック二重積住宅の設計(1980年)から断熱・気密に加え蓄熱性がも
たらす効果に、その後の思考に極めて大きな影響を受けてきた。
若い施主から、ブロック二重積三角屋根が気に入って、と相談に来られた。
話すうちに、平屋が良い、ブロック素地の質感が良い、との展開になり、ならば・・・・と思いついた工法がこれ。
鉄筋コンクリート壁式構造に屋根は軽量の木造を組み合わせ、いつものシート防水フラットルーフ、
ノルドの二重LowEトリプルサッシに湿式外断熱200oの組み合わせ。
照明はLEDの特性を生かした間接照明。 そして、いつもの深夜電力蓄熱床暖房に電気温水器。
エネルギー断絶に耐えられる建築の価値・役割が3.11で明白になったが、キーワードは古くから生活の知恵とされてきた
「蓄える」ことの重大性を再認識させられた。
寒さに耐えられる建築には「熱を蓄えられる」ことのみがライフライン断絶に耐えられる建築であり、
それは日々の暮らしの質をより高い快適なものにしてくれる。
最小限の要素・材料でしっかりと「外皮」を作る。
しっかりした外皮に護られた空間は家族構成の変化・ライフタイルの変化に、柔軟に無理なく対応し続けられる超寿命建築になる。
少々荒っぽいシンプルなコンクリート打放しで、木造とほとんど変わらぬ建設費で実現できることをこの住宅が示す。
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